十津川警部が、コロナ禍の北海道を疾走する。
石北本線に乗って、札幌から旭川、網走へ。
一人の男が「20年の眠り」から目覚めた。
北海道の将来を担う若手頭取と期待された松崎公平は、かつてバブル崩壊の責任を取る形で収監された。
財界の仲間たちに裏切られ、社会に絶望した松崎は、元NASA研究員による、人間を長期の睡眠状態にする「コールドスリープ」実験の対象となることを買って出た。
20年後、松崎が目覚めると、頼りにしていた元秘書が、石北本線「オホーツク1号」に乗って消え、財界の仲間たちも次々と殺害されていった。
眠っている間に、何が起きたのか。