誰の人生も要約させない。
あなたのも、わたしのも。
■推薦
「生きた心地」を求めていいんだ。
「ダメだ」の言葉に抗っていいんだ。
誰でも。言葉で。
――望月優大(「ニッポン複雑紀行」編集長)
強くて安全な言葉を使えば、
簡単に見落とすことができる。
だけど取り零された隙間に、
誰かが、自分が、いなかったか?
――はらだ有彩(『日本のヤバい女の子』著者)
■内容
偉い人が「責任」逃れをするために、
「敵」を作り上げて憂さを晴らすために、
誰かを「黙らせる」ために言葉が使われるようになったこの世界で、
凝り固まった価値観を解きほぐし、
肺の奥まで呼吸しやすくしてくれるような……
そんな「言葉」との出会いは、まだ可能だろうか?
本書は、マイノリティの自己表現をテーマに研究を続ける文学者が、
いま生きづらさを感じているあなたに、そして自らに向けて綴った、
18のエッセイである。
障害者運動や反差別闘争の歴史の中で培われてきた
「一言にまとまらない魅力をもった言葉たち」と
「発言者たちの人生」をひとつひとつ紹介していくことを通して、
この社会で今、何が壊されつつあるのか、
人間としての尊厳をどのように守っていけるのかを考えていく。
■装画・挿絵
榎本紗香(しょうぶ学園)