著作権のパラダイム転換へ
複雑になるだけの著作権は本当に文化のためになっているのか? それはユーザーの権利を阻害していないだろうか? 本書はこうした観点から、権利論とコモンズ論を基軸に人文社会、自然科学の知見を幅広く援用し、そもそも文化とは何かまで根底的に問い直す。ユーザーの人権という視点から、数百年に及ぶ著作権のパラダイム転換を提案する意欲作。
「ひとは影響を受けた作品を身体化し、所有している。作品のユーザーにも人権にもとづく権利があるのではないか。「文化」は集団的なものであり私的所有とは相性が悪いのではないか。そういった考えが本書の底流にある。これは論争を呼ぶアイデアだと思う。」
◎目次
第Ⅰ部 作者とユーザーの人権
第一章 著作権の人権論
第二章 障害者アートをめぐって
第三章 ユーザーの人権
第四章 作品が身体化する
第Ⅱ部 「文化」とは何か
第五章 「文化」概念の変遷
第六章 日本の「文化」概念の現在地
第Ⅲ部 文化のコモンズへ
第七章 文化コモンズを考える
第八章 「海賊版」からオープンアクセスへ
第九章 「文化の発展」のために