八月一日、夏休みの登校日。みずかは先生に「だって、書けないんだもん」と言いました。おもしろい本を読んで、ああおもしろかったなあって、胸がいっぱいになる。どこがどうおもしろかったとか、何がよかったとか書こうと言葉を探そうとすると、しゅるしゅるしゅるって、おもしろかった気持ちがきえてしまう。だから「感想文、むり!」……書かないわけにはいかない読書感想文、みずかが考えた作戦とは?
物語を読むということは、登場人物に共感したり、自分がその立場だったらどうだろうかと想像力を働かせたりすることです。そのうえで感じた気持ちにぴったりの言葉を探して表現することが、読書感想文を書くことなのですが、「わたしにはむり!」と言う主人公・みずかに共感する読者は多いことでしょう。みずかたちの挑戦をとおして、読者はいつのまにか、物語の中に入りこみ、一緒に想像力を働かせてさまざまな気持ちを感じることでしょう。もう、感想文、書けますね!