流転する運命を生きる兄弟の物語。完結!
主人公は二人の幼い兄弟、迥(ハルカ・兄)と能(ヨキ・弟)。母親は家を出たまま戻らず、兄弟は父・戒人と3人暮らし。冷徹な大学教授である父は、毎日のように兄弟に理不尽な暴力をふるい、二人はそれに耐える日々を送っていた。しかしそんな父は、“ある事故”を境に、別人のように穏やかになり、その後、入退院を繰り返すようになる。やがて父は二人を我が手で育てることを断念し、家を売って金を作る。そして、その金を預けた貸金庫の鍵を迥に託し、一人、終わりのない入院生活に入った――。父の“影”に支配されつつ二人で生きる兄弟、そして出会った仲間たちの流転する運命の物語が、連載開始から11年を経てついに完結!!
【編集担当からのおすすめ情報】 単行本1巻ごとに、住む家を失うことを繰り返してきた兄弟。今回の第5集でたどり着いた古ぼけた一軒家が、今度こそは安住の地となるのでしょうか? 長い長い物語の末に待ち受けるのは、ありきたりのハッピーエンドでも、ありきたりのバッドエンドでもありません。どうやって、主人公たちを生かし続けることができるのか? 誠実に、誠実に物語を紡ぐこと。そこから決して逃げない作者の静かな闘いの結末を見届けてください。