Scratchは子ども向け? ゲームばかり? いえいえ、そんなことはありません。
奥深さと実力を手軽に楽しみましょう!
本書では、「アート」と「サイエンス」という一見高度で難しそうなテーマを選んでいます。このテーマを支える題材となる、等加速度運動、確率、2進法、論理回路、三角関数、モンテカルロ法、再帰(フラクタル図形)、疑似3D表示、を用いたさまざまな作品(プログラム)をつくりながら、「わからなかったことがわかる! 」「できなかったことができる! 」楽しみを味わってください。
第2版に改訂するにあたり、すべての章を Scratch 3.0 に対応させた上で、新たに第6章(3D迷路)と終章(独自拡張機能)を追加しました。さらに、第1版での1章から5章までの内容を見直し、簡単なプロジェクトから少しずつ難易度が高くなっていくように章を入れ替えています。
■「おわりに(ふたたび、ホビープログラミング)」から抜粋
プログラミングは、本来は楽しいもの、面白いものであったはずです。そこには、明確な目的や合理性はなく、ただ自分がやりたいからやっていただけでした。
本書で取り上げているさまざまなプログラム例は、それをやったからと言って、直ちに何かの役に立つというものではありません。これで、資格が得られたり、お金がもらえたりするわけでもありません。 ただ、その過程において、知的な興奮が得られるはずです。わからなかったことがわかるようになる、できなかったことができるようになる、そして、ひとつのことがわかっても、さらに新しい疑問が生まれるという連鎖を、ぜひ経験してもらえればと思います。
――阿部和広