1950年代初頭のフェロセン発見以来、有機金属化学の驚異的な進展とこの分野に対する関心の高まりは、汎用化学製品とファインケミカルズの製造における均一系触媒プロセスの実用化と密接に関係している。この入門書の目的は過去半世紀にわたる、この分野の発展を概観することである。第一には、均一系および不均一系触媒の双方の理解に、有機金属化学がどのように影響をもたらしたのかについてとくに強調したい。第二には、この期間に発展した均一系触媒が適用されたおもな商業生産について述べたい。