通信社の若手記者・田嶋庸介は興奮していた。陸連から発表された東京五輪女子マラソン日本代表の中に、円谷ひとみの名があったからだ。田嶋が七年前に彼女と出会ったのは、福島県須賀川市。そこは、一九六四年の東京五輪マラソンで銅メダルを獲得した円谷幸吉の故郷であった。当時、自分のやりたいことが見えず暗中模索していた少女は、なぜ、日本を代表するランナーへと成長できたのか。その陰には、ある「空」でつながる不思議な出会いがあった-。デビュー作が激賞された著者が満を持して贈る、希望と再生の物語。
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