ギャンブラーの父、再婚する母、将棋の天才の姉、普通すぎる僕。
離れても、ケンカしても、いつだって家族。
ズレた家族の歩みが愛おしい、
胸をゆさぶる家族の物語。
小学六年の春、父ちゃんが姉ちゃんを連れて家を出た。ふたりは賭け将棋で気ままに暮らしている。姉ちゃんの将来を案じる僕は、会うたびにその日暮らしを咎めるのだが、楽しそうなふたりがどこか羨ましい。
将棋の天才の姉ちゃんと、いたって普通の僕。ドラマチックな人生に憧れる僕は、なにかとやらかす父ちゃんと姉ちゃんを放っておけず……。心にしみる家族小説。