「さようなら。深春くん」
あれから、季節は巡り……数か月。
日和のいない日常は、それでも続く。世界がもう壊れてしまって、混沌への道を辿っていると知っていても。
そんななか準備を始めた文化祭。それは、失われる「日常」を守ろうとする深春たちの、精一杯の抵抗だった。そして、彼らがやがて結果を出そうとする、その頃に――
彼女は、再び深春の前に現れる。
葉群日和。
世界を変える「お願い」の力を秘めた女の子。
〈天命評議会〉に戻ると決めた、深春の彼女だった女の子が。
「とても、単純に。わたしは、頃橋くんの気持ちを知りたいの」
日常を守ろうとする少年と、その終わりを知りながら帰ってきた少女は、ふたたび言葉を交わし――このセカイと同じように、終われない恋の、続きが始まる。