呉王朝の礎石を築いた「江東の小覇王」孫策は、二十六歳でテロルに倒れた。兄の覇業を完成させた孫権は、賢者と能士をよく用い、忍耐強くて堅実であったが、猜疑心も強かった。晩年には寵姫に溺れ、八歳の末子を太子に立てて禍根を残した。本冊には、孫堅と孫策、呉主孫権、三人の嗣主、それぞれの夫人たち、宗室の孫静や孫賁、内政のブレーン張昭らの伝、すなわち「呉書」第一〜第七を収める。