92歳のとき、相次いで襲ってきた腰椎の圧迫骨折と胆嚢ガン。つらい痛みで、死んだ方がましとさえ思う日々。でも、病のおかげで自分のいちばん大切なことがはっきりした。最期まで、小説を書いていたい――。リハビリの末、寂聴さんは再び筆を執れるようになった。老い、おしゃれ、食事、恋、友だち、手術、最愛の人たちとの別れ……。悩みながら生きるすべての人へ贈る瀬戸内流人生の叡智。