自保ジャーナル　No.2089 2029　2021.11.11

①労災2級認定を受ける33歳女子主張の高次脳機能障害は画像所見なく事故後24時間以内に意識障害も消失していて神経心理学的検査結果の推移は不自然等から本件事故による高次脳機能障害の発症を否認した ②両膝関節機能障害から併合9級既存障害を有する83歳女子主張の1級6号後遺障害を否認し自賠責同様併合8級を認め入居施設の生活費用の2割で平均余命の9年間につき将来介護費を認定した ③自賠責12級6号右手関節機能障害を残す45歳男子会社員の後遺障害逸失利益を事故後増収から労働能力喪失率は14%より若干減じた12%と認め事故年度収入を基礎収入に認定した ④40歳代女子主張の左腰部疼痛等から3級3号後遺障害を自賠責同様14級9号認定し10年間5%の労働能力喪失で後遺障害逸失利益を認めた ⑤45歳女子主張の右肩関節機能障害及び12級13号右肩関節痛の残存を否認し自賠責同様14級9号右肩痛を認定してパート収入のみを基礎収入に5年間5%の労働能力喪失で逸失利益を認めた ⑥45歳男子原告の本件事故約3ヶ月半後に生じた両下肢深部静脈血栓症及び肺塞栓症の各疾病は原告は静脈血栓塞栓症の危険因子を有していた等から本件事故との因果関係を否認した ⑦自賠責非該当の頸部痛･左手小指しびれを残す男子運転手の後遺障害を14級9号と認め既存の無症候性頸椎椎間板ヘルニアが大きく寄与したと4割の素因減額を適用した ⑧深夜片側1車線道路の幅員3.3㍍車線を走行中に後方から速度超過の被告乗用車に衝突され死亡したA自転車は左側から道路中央へ1.2㍍寄った等から2割の過失を認定した ⑨片側2車線道路の第1車線を走行中に先行の第2車線から合図を出さずに進路変更してきたYタクシーに衝突されたX貨物車は時速約18㌔㍍の速度超過から2割の過失を認定した ⑩丁字路交差点に接する右方駐車場に左折直後後退進入しようとしたX普通貨物車と後続Y普通貨物車との衝突を出会い頭事故と類似するとしX車に8割の過失を認めた ⑪コンビニ駐車場から左折進入被告乗用車と接触の進路変更完了寸前ないし完了直後の原告乗用車の過失を25%と認定した ⑫駐車場に駐車中のイモビライザー標準装備のXレクサスの盗難はX以外の第三者がX車両を持ち去った事実が高度の蓋然性をもって立証されているとはいえないと保険金請求を棄却した ⑬マンション駐車場から防犯カメラに犯人が映っているX車両の盗難はカメラへの映り方等も真正な犯人を疑わせるものでXには保険金不正取得の動機がある等からXの故意を推認して保険金請求を棄却した