浅草にある岡場所で、遊女の亡骸が見つかった。何者かに殺されたのはたしかなのだが、
不思議なことに、現場の部屋の戸口は閉められ、下手人は忽然と消えてしまっていた。
しかも、同様の密室殺人が、これまでに連続しているのだという。
このなんとも奇怪な事件にかかわった若き蘭方医・沢村伊織は、
少ない手がかりから、被害者同士の奇妙な共通点を見抜く。
鍵となる謎の女の存在に行き着いた伊織であったが、その先には、さらなる深い闇が隠されていた。
そして事件解決の動きとは別に、伊織の私生活にも、
これまでにない大きな変化が生まれようとしていたのだが……。
物語の転換点ともなる、好評シリーズ・第十一弾!