谷川俊太郎さん、一青窈さん、伊藤亜紗さん推薦
魚の骨、道ばたの石、焼けた画集……あらゆるものは美しさを隠しもっている。じっと見つめ、耳をすまし、デザインすれば、いのちがやどる。装丁家と小学生の娘が交わした、世界のひみつを探る13の対話。
この本には学校にはない、
インドの匂いがある。
生きる知恵を学べる楽しい父娘合作の本。
真と善はしばしば争いを生むが、
美は敵を作らない。
――谷川俊太郎
この地球上に鳴っているしあわせな音に
耳をすまし、腰を下ろし、命を噛み締める。
その音を共有してくれるこの本は
私をすっかり優しい気持ちにしてくれました。
――一青窈
ふとした瞬間に、人は理由もなく魅入られる。
何かを美しいと思う気持ちは恋にも似ていて、
「これこそ自分の求めていたものだ」と確信する瞬間はこの上なく甘美だ。
しかし、移りゆく時間のなかで、世界は私から奪いもする。
美は冷たく、残酷だ。
その波間を小舟でゆく旅人のような多聞さんとつたちゃん。
二人の言葉は、語っているのにまるで聞いているかのように澄んでいる。
――伊藤亜紗
【本文より】
美しいものは、ときにはみにくく、ざんこくである。……身近なところに隠れているのに、手をのばせばけむりのように消えてしまう。ことばにしたとたんに、まったくちがうものに変わりはてる。
いま、ぼくは、流れゆく雲のようにあてどもないものを書こうとしている。
それでも、忘れえぬ美しい光景をあらためて書きとめ、娘とともに「美しいってなんだろう?」ということを考えてみたい。