怯え続けることが私の人生だった。私は今も、彼女の亡霊から逃れることができないのだ。1978年、悦子はアルバイト先のバーで、舞台女優の夢を持つ若い女・千佳代と出会った。特別な友人となった悦子に、彼女は強く心を寄せてくる。しかし、千佳代は恋人のライター・飯沼と入籍して間もなく、予兆もなく病に倒れ、そのまま他界してしまった。千佳代亡きあと、悦子が飯沼への恋心を解き放つと、彼女の亡霊が現れるようになり――。