特集 食と地域を支える農業ビジネスの新しいかたち
我々の食と地域を支えてきた農業は、従事者の高齢化が進み担い手が不足するなど危機的な状況にあります。その一方で、①既存の方法に囚われない分業化や専門化、②自由度の高いネットワーク型の産地形成、③住民や消費者と繋がる拠点づくりを通じて地域の食を支える動きなど、ピンチをチャンスに変えようとする新たな農業ビジネスが生まれています。
本特集では、こうした動きを紹介するとともにその背景にある地域農業構造の変化を明らかにし、今後も食と地域を支え続けられる農業の姿を展望します。
■巻頭言
地域農業の維持と持続的な発展のために──特集に寄せて……北川太一・伊庭治彦・三石誠司・安藤光義
特集
食と地域を支える農業ビジネスの新しいかたち
北川太一+伊庭治彦+三石誠司+安藤光義 責任編集
■Ⅰ 農業をめぐるピンチとチャンス
●1 ビジネスの視点から見た日本農業の将来……三石誠司
●2 日本農業の構造再編と地域差の拡大……安藤光義
●3 地帯別の構造変化と新しい動きを地域にみる
(1)北陸及び東海地域における大規模個別経営の展開と経営課題
──平場地域における構造変化と新しい動き……平林光幸
(2)集落営農連合体の可能性と課題
──中山間地域における構造変化と新しい動き……品川 優
(3)経営・継承支援体制の展開と拡充
──「日本の食料基地」北海道における構造変化と新しい動き……小林国之
■Ⅱ つながりが創る新しい農業ビジネス──進む分業と専門化
●1 農業経営体の職能・作業の外部化の論理と効果……伊庭治彦
●2 新たな担い手との連携による中山間地域農業の維持システム……衛藤彬史
●3 稲WCSコントラクターの躍進
──受託組織間での分業が拓く可能性……淡路和則
●4 農業者の「納得」が支える地場流通
──農業を一部門として事業化し継承する農業経営体……川﨑訓昭
●5 投資・資金調達に関わる経営者職能と支援の新たなかたち……深山陽一朗・木原奈穂子
●6 農業経営における