つれあいの薬草師タンダと草市を訪れた女用心棒バルサは、二十年前、共に旅した旅芸人サダン・タラムの一行と偶然再会する。魂の風をはらむシャタ〈流水琴〉を奏で、異界〈森の王の谷間〉への道を開くサダン・タラムの若い女頭エオナは、何者かに狙われていた。再び護衛を頼まれたバルサは、養父ジグロの娘かもしれないと気づいたエオナを守るため、父への回顧を胸にロタ王国へと旅立つが。