▼エーコの原点、待望の翻訳。
▼「暗黒の中世」像を打ち崩す、「美」にあふれた世界――。
1956年当時、ベネデット・クローチェら美学の大家らによって「中世に美学はない、一貫した美への関心はない」と言われていた。
そんななかウンベルト・エーコは研究者としてとりわけ思い入れの深い中世の思想家トマス・アクィナスの著作に向き合い、トマスのみならず中世思想の根柢には、一貫した「美の思想」が流れていることを明らかにする。
これまでの中世観を変容させ、『薔薇の名前』につながるエーコの躍進の契機となった待望の名著。