数多い仏教書のうちで最も古い聖典。後世の仏典に見られる煩瑣な教理は少しもなく、人間として正しく生きる道が対話の中で具体的に語られる。初訳より26年、訳文はいっそう読み易くなり、積年の研究成果が訳注に盛られ、読解の助となるとともに、他仏典との関連、さらには比較文化論にも筆が及び興味は尽きない。