「これは古い池だから、いろんなものが沈んでるだろうな」――江戸川乱歩の慫慂を受け「宝石」に発表した表題作他、私小説の名手が活動初期に書き継いだ、スリルとユーモアとペーソス溢れる物語の数々。巻末に単行本・全集未収録の推理掌篇、および代表作〝大寺さんもの〟幻の第0作「花束」を収録。文庫オリジナル。〈解説〉三上延【目次】古い画の家手紙の男クレオパトラの涙ミチザネ東京に行く二人の男奇妙な監視人赤と黒と白王様リャン王の明察[附録 単行本・全集未収録作品]海辺の墓地花束