誰もが情報を発信し、自分を表現することが当然である情報社会においては、もはやプロフェッショナルな芸術家とそうでない人などという区別はない。マルチメディア技術によって、人間のさまざまな認知能力を自然な形で用い、高品質で多様な情報を使った、広く深い自己表現の新たな手段を、誰もが得ることができる可能性が開けているのである。ここでは、インタラクティブアート、パフォーミングアート、環境デザイン、エンタテインメント、アミューズメント、ボディ表現という、それ自体の魅力と応用の可能性に溢れたテーマを選んで、マルチメディア技術の自己表現への応用について解説している。CD‐ROMを併用して、より理解を深めてほしい。