「いいか、島でのこと、だれにも話してはいけない」海の民の少年オトガイは、父から代々伝わる役目を引き継ぐ。山の民の少女マダラコは、生贄の儀式から逃れて山を下りる。死を知らぬ海の民イソベリ、死を弔う山の民ヤマノベ。二つが出会い、すべてが始まる。これは、対立の運命を背負わされた海族と山族の神話を描く、原始の物語。〈巻末座談会〉「八作家が語る、〈螺旋プロジェクト〉のいままで」を収録。