「僕は貴族の生まれです。下僕には身を落とせません」──スペイン山中で族長がアルフォンソたちに明かす波瀾の半生。シドニア公爵夫人の秘密、厄介者ブスケロスの騒動、神に見棄てられた男の悲劇など、物語は次なる物語を生み、時に語り手も替えつつ、六十一日間続く。ポーランドの鬼才ポトツキが残した幻の長篇、初の全訳。(全三冊)