北の果てサハリン(旧・樺太)の地には、切なくなるほど屈強な、人間の生きざまがあった。戦中・戦後を複雑な経緯で漂泊してきたこの島では、朝鮮民族をはじめとするさまざまなアジア人たちが、いまなお過去を引きずったまま、厳しい環境を生きぬいている。本書では、厳しく雄大な自然と、そこに紡がれる人間模様に焦点を合わせ、日本にもっとも近い島「サハリン」の過去から現在を凝視する。