子どもたちの病理現象の原因を、母親の「母性喪失」に求める声はいまだに高い。しかし日本の母たちは、核家族の孤独のなかで、懸命の手探りの育児をつづけているのだ。子育てはなぜ、これほど困難なものとなってしまったのか。それは現代社会にふさわしい子育てのありかたが、未だうちたてられていない現実からくる。子どもとどう向きあっていったらよいのか…。核家族の孤独のなかで迷い続ける母親たちの現実の声をきき、新たな母親像を考える。