旗本の三男坊・飛川角之進。湯島三組町の「田楽屋」という料理屋で修行し、剣も将棋も敵なしの腕前の彼は、湯屋の娘と一緒になったのを機に独立して、店を構えた。あたふたとしながらも頑張る二人の前に、十手持ちの仁吉が世間を騒がしている辻斬りがいるという話をもってきた。その事件について、以前、角之進のお付きだった草吉からも、あることが……。読むとお腹が空いてくるお料理時代小説の最新作。