5対4で有罪――
この判決は、ほんとうに正しかったのか?
死刑か冤罪か。
母娘殺害事件を巡り、6人の裁判員と3人の裁判官は究極の選択を迫られる!
法廷ミステリーの傑作、初の文庫化!
被告人は三十間近の冴えない男だった。出会い系サイトで知り合った女とその母を殺したのだ。離婚協議中の会社経営者・堀川恭平は裁判員制度により選ばれ、彼の審理に参加することに。最高刑が死刑まである事件だ。ところが公判初日、男は一転無罪を主張。法律の素人である6人の裁判員の議論は紛糾、新たな仮説まで浮上する。やがて堀川らの人生は事件の真相に蝕まれ……。『裁判員――もうひとつの評議』改題作品