「ローマの休日」(1953年)の王女役で鮮烈なデビューを果たしたオードリー・ヘプバーン。それから70年の歳月を経て、今なお、コマーシャルにも登場する永遠の映画スターです。
1929年にベルギーの首都ブリュッセルで生まれたオードリー。母エラはオランダの貴族の出身、父ジョゼフはアイルランド系イギリス人。彼女の青春時代は第二次世界大戦の真っ只中、バレリーナになる夢がついえて、ミュージカルのオーディションを受けることから思いがけず女優への道を歩み始めます。
22歳のとき、「ローマの休日」アン王女に抜擢され、オードリーは映画史上に、忘れられない印象を残しました。「ローマの休日」に続く「麗しのサブリナ」(1954年)では、ショートカットにパンツスタイル、フラットシューズと、それまでの女性美の基準を変える圧倒的な存在感を放ちました。「気品」と「お転婆」を兼ね備えた魅力が世界中で絶賛され、オードリーはスターダムに昇りつめることになりました。
「ティファニーで朝食を」「シャレード」など、ジヴァンシーがデザインしたドレスや帽子を身にまとい、洒落た会話で映画の中を生きる彼女はファッション・アイコンとして、映画史に燦然と輝きつづけています。
本書は「ローマの休日」から最後の映画出演作「オールウェイズ」まで、オードリー・ヘプバーンの出演した20の映画作品を中心に、制作の舞台裏のスナップなどを含め、183点で彼女の魅力、美しさの秘密に迫る一冊です。