【第162回 芥川賞受賞作】
長崎の島にある<家>と<人>の時空を超えた壮大なドラマ
「別に良いやん、草が生えてたって。誰も使わんっちゃけん」大村奈美は、不機嫌だった。何故空き家である母の実家の納屋の草刈りをするために、これから長崎の島に行かなければならないのか。だが、彼女は道中で家族からある話を聞かされて考えを改める。それは、<家>と<島>にまつわる時代を超えた壮大な物語だった――。第162回芥川龍之介賞受賞作。書き下ろし短編「即日帰郷」も収録。
【著者略歴】
古川真人(ふるかわ・まこと)
1988年福岡県生まれ。國學院大學文学部中退。2016年「縫わんばならん」で第48回新潮新人賞を受賞し、デビュー。同作で第156回芥川龍之介賞候補に。17年、『四時過ぎの船』で第157回芥川龍之介賞候補、第31回三島由紀夫賞候補、19年、『ラッコの家』で第161回芥川龍之介賞候補。20年、『背高泡立草』で第162回芥川龍之介賞受賞。