友だち、学校、家、自分自身……中高生の悩みは「思春期」だから? それとも自分のせい? スクールソーシャルワーカーの著者が中学生の素朴な疑問から考える。シリーズ第19弾。
【著者からのメッセージ】
思春期は難しい年頃だ
そう言われたり、言ったりしたことはないでしょうか。
思春期に子どもたちが抱くもやもや、しんどさ、イライラ。その難しさは「思春期」のせいでしょうか。ルッキズムや性差による役割の押し付け、理不尽な校則や指導、いじめ、環境による機会の格差……子どもたちをしんどくさせる要因は、実は世の中の側にあります。思春期の中にある子どもたちには「そのしんどさはあなたのせいじゃない」と、そして子どもと関わる大人たちには思春期のせいにせず子どもたちが見ているものを一緒に見てほしいと、そう伝えたくて書きました。
【目次】
はじめに
スクールソーシャルワーカーってどんなことするの?
第1章 学校が苦しいのはなぜ?
1 決まりごとが苦しい
2 人間関係が苦しい
3 男女の決めつけが苦しい
精神科医で子どものこころ専門医の井上祐紀さんにききました
第2章 子どもの権利ってどんなもの?
生きる権利/育つ権利/守られる権利/参加する権利
第3章 家が苦しいのはなぜ?
家が苦しいのには理由がある
「愛」を持ち出してくる大人には要注意
第4章 私が苦しいのはなぜ?
1 自分が嫌いだとしたら、まわりのせいかも
2 「すべき」より「したい」を大事にして
インタビュー
のぞこさん15歳/えいちゃんさん16歳/わださん15歳/さくやさん17歳
おわりに
相談先
【著者プロフィール】
鴻巣麻里香
KAKECOMI代表。精神保健福祉士、スクールソーシャルワーカー。1979年生。外国にルーツがあることを理由に差別やいじめを経験する。ソーシャルワーカーとして精神科医療機関勤務、東日本大震災の被災者・避難者支援を経て、2015年非営利団体KAKECOMIを立ち上げ、こども食堂とシェアハウスを運営している。共編著に『ソーシャルアクション! あなたが社会を変えよう』(2019年、ミネルヴァ書房)。