◆蕪村を味わう
蕪村全三千句、そのうち百五句を選んで評した書。
蕪村の鑑賞は、明治の正岡子規以来重ねられてきたが、この度の百句読解は、新たな蕪村像をいかにみせてくれるか。本書を通じて、蕪村の真骨頂に迫ってみたい。句の配列は年次順とし、蕪村の生涯とともに味わうことができる。
(帯より・関西大学名誉教授 藤田真一)
◆あとがきより 俳人であり、画家であるという蕪村の特性を踏まえ、出来るだけ詩性や絵画性を感じられ る句を年代順に百五句(書名は「蕪村の百句」)抽出して、その詩情や色彩、浪漫や幻想、物語性などについて論じることとしました。また、俳句・鑑賞に当たっては、できるだけ当該句に関わる先達・識者のコメントを紹介するとともに、蕪村を支えた門弟や俳友を紹介することにも努めました。蕪村句の奥深さや魅力、蕪村の人となりが少しでも多くの方々に伝われば、これほど嬉しいことはありません。 (著者)