冷戦は終り、NATOの「敵」はいなくなった。冷戦の産物だったNATOは五十年にして、その幕を引くことになるのだろうか。しかし、ポスト冷戦期への甘い幻想は、湾岸戦争、コソヴォ戦争の勃発で一気に吹き飛んだ。「危険がいっぱいの時代」が始まったのだ。では、ニューNATOは、この新しい時代に、いかなる「使命」を帯びて再登場してくるのだろうか。