物流のしくみから、激しく変化し、日々進化を遂げる物流活動の全貌がよくわかる!
今や物流は、経営最適化を追求した
ビジネス・ロジスティックスへと進化し、
生産者から最終消費者にいたるまでの
最適化をめざすSCMの構築が進んでいる。
めまぐるしく変化する物流管理活動のアウトラインから、
「物流の情報技術革新」を実現するための取り組みまでを解説
物流のすべてをコンパクトに1冊に!
--------- 著者からのメッセージ ---------
変わらない真理という意味で、最も大切なことをひとつあげるならば、「物流は企業活動の中で、『やらないほどよい活動』である」ということです。
需要者へ届けることが物流の目的であり、その過程の活動は少ないほどよいのです。「輸送レス、保管レス、作業レス」が、物流のマネジメントに求められる普遍的な方向性です。
一方で、変化していることとして重要なのは、「情報技術の革新」です。
この20年ほどで、情報通信の速度は100倍、情報の処理速度は80倍、メモリーへの集積度は120倍ほど向上しました。
リアル物流の世界ではとても望めない変化ですが、これをベースとして情報データを蓄積し、AI等も駆使して解析し、利用するということについて、制約条件がほぼなくなった状態になっています。
さらにもうひとつ付け加えると、今、物流に対して、「このままでは運べなくなる」という危機感が強く持たれています。それは、トラックドライバーが不足しているからです。
ドライバー不足に働き方改革、脱炭素という制約が加わり、限られたリソースを大切に使わないと、物流を持続できなくなるという意識が共有され、これに伴い、物流効率化を阻む制約条件となってきた「取引慣行」を見直し、合理的なものに変えていくチャンスが生じています。
物流管理においては、基本に忠実に取り組み、かつ制約条件に対しては、これまでの常識を否定して変革にチャレンジしていくのが正しい姿勢です。この本がそのような取り組みの一助となれたならば、著者としてこれ以上嬉しいことはありません。
--------- 「はじめに」より抜粋 ---------