家父長制に抗う女たちがもちいたものこそ、“ゴシック”の戦術だったのではないか。
メアリ・シェリー、アン・ラドクリフ、メアリ・ウルストンクラフト、ウィリアム・ゴドウィン、ロバート・マチューリン、
エミリー・ブロンテ、シェリダン・レ・ファニュらイギリスのゴシック作家たちの作品を読み解く先に見えるものとは──
目次
“ゴシック”という戦術──序論にかえて
第1章 ラドクリフ『ユードルフォの謎』──生気論と空想のエンパワメント
第2章 ラドクリフ『イタリアの惨劇』──人権侵害に抗する
第3章 ゴシックにおけるヒロイン像──ウルストンクラフトのフェミニズム
第4章 ゴドウィンのゴシック小説──理性主義と感受性のあわい
第5章 シェリー『フランケンシュタイン』──バラッドに吹き込む精気
第6章 マチューリン『放浪者メルモス』──家父長的な結婚を問う
第7章 ブロンテ『嵐が丘』──魂の生理学、感情の神学
第8章 ヴァンパイア文学から#MeTooまで──〈バックラッシュ〉に抵抗する
註/引用・参考文献 /人名・書名索引