これまで不登校の子どもを持つ保護者には子どもをサポートする役割が期待される一方で、「もう十分頑張っている」、「これ以上どうすればいいのか分からない」という声に焦点が当てられることは少なかったように思います。しかし、このような保護者の声からは、現在行われている支援と保護者の求めている支援との間に隙間やズレが生じていることがうかがえます。 本書では不登校の子どもを持つ保護者から見た支援の現状と課題について明らかにし、それらの課題への対応策としてWeb サイト上で運用される電子掲示板(Bulletin Board System:BBS)が活用できること、BBS を有効に活用していくために必要なことを述べています。子どもの不登校は家庭の経済状況や保護者の働き方にも影響を及ぼすリスクがあることを社会全体で受け止め早急に対策を講じるため、地域と社会ができることを提示しています。 不登校の子どもを持つ保護者の方、不登校に関する相談を受ける立場にある方、不登校をテーマとしたBBS を運営する方や利用される方、不登校に限らず様々な相談に関わる仕事やボランティアに関わっておられる方、子育て支援施策の企画立案に関わる方等に読んでいただくことで、保護者が感じている辛さを解消するためのヒントが見つかると思います。