「私は一つしか言語をもっていない、ところがそれは私のものではない」――植民地支配下のアルジェリアに生を受けた〈フランス-マグレブ-ユダヤ人〉の特異な自伝的回想が告げる言語的追放、本来性なき離散する〈私〉の経験。ヨーロッパ近代原理を脱構築するデリダ、その不可能なアイデンティティ・ポリティックス。