• Author大塚翔

遺1

いま、私たちの身のまわりでは、いまの社会をより良くするために「いま」と「これから」により多くの目を注ぎ、さまざまな実践を新たに生み出すことがとても大切にされているように思えます。 けれども、私はどちらかというと「これまで」、つまり、過去との関わり方により多くの関心があります。とても苦い過去とどう関わっていったらいいのか…。多くの人が交わるようなより広い文脈においても、また、私が今日を生きるくらいのより狭い文脈においても、私たちの多くがこの問いにたくさんの苦労を抱えているように感じるからです。この『遺』もそういう物事の見方にひどく絡みとられています。 とはいえ、今回の論考では、そこまで風呂敷をひろげてはいません。今回私は、私にとって身近な、心理学にあるひとつの本と出会いなおすことを試みました。掘っては埋め、掘っては埋めを重ねたこの本を、いまここでもう一度掘り返したときに少しばかり感じたものがあった。それをことばにしてみました。私のことばに触れてみてもらえたらとてもうれしいです。

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