この男なくしてトヨタ再生は語れない!
社長就任発表後、試練の嵐は吹き荒れた。
59年ぶりの赤字転落。レクサス暴走事故を巡って米公聴会出席。東日本大震災の対応にも追われた。
“どん底”の豊田章男を支えたのは、開発中の事故でこの世を去ったテストドライバー・成瀬弘の言葉だった。
「人を鍛え、クルマを鍛えよ」
育ちも立場も世代もまるで異なる
師弟が紡いた巨大企業再生の物語――。
これは世界最大の自動車メーカーの開発の現場に立ち続けたテストドライバーと、その後ろ姿を追い、今は社長の座に就いた男が、長年にわたって築き上げた師弟の物語である――本書序文より。
【編集担当からのおすすめ情報】
大宅賞作家・稲泉連氏による初の「ビジネスノンフィクション」です。これまで戦争や災害などを取材対象としてきた稲泉氏は、今回、自動車業界のイロハを一から学びつつ、テストドライバー・成瀬弘氏の足跡を追い、さらには豊田章男氏に3度のインタビューを重ねました。完成には、なんと約5年の歳月を要しています。