「奥州こがれ」を持ち続けた著者は、高名な白河の関から旅を始める。戊辰戦争の舞台となった白河を歩き、会津若松に向かう。会津藩への思いは深く、「私には、強い同情がある」と、あらためて念を押す。舞台が変わって「赤坂散歩」は以後につづく東京編の第一作。勝海舟、乃木希典といった人物のほか、大岡越前守、浅野内匠頭の妻、瑤泉院も登場し、江戸時代に引き込まれる。