高度成長期以降、80年代から90年代にかけての高校生活とその変容を、兵庫県下13高校の3年生を対象とした調査票調査のデータ分析によって解明する。新しい社会の「理念」である「自己実現」と「ジェンダーの平等」を吸収した現代の高校生たちは、どこへ行こうとしているのだろうか。生活に占める学校生活の比重低下、「生活構造の多チャンネル化」状況の中で、かれらの社会に対する適応的変容を明らかにする。本書は、ジェンダー、ネットワーク、ナショナリズムなど多様な視点も取り入れ、繰り返し調査によって得られたデータをもとに高校生活の現状と変化を探る、計量的なモノグラフである。