明治二年三月二十五日の夜明け、宮古湾に碇泊している新政府軍の艦隊を旧幕府軍の軍艦「回天」が襲った-。箱館に立てこもった榎本武揚たちは、次第に追い詰められてゆく状況を打開しようと、大胆な奇襲に賭けたのであった。歴史に秘められた事実を掘り起し充実した筆致で描いた会心の長篇歴史小説。