古くから文学作品などの著者をめぐる謎は尽きないが、文章の数量的な分析から著者を割り出すことに画期的な成果を上げているのが、近年の計量文献学である。『新約聖書』のパウロの書簡は本当にパウロが書いたのか。シェークスピアの正体は?『源氏物語』の「宇治十帖」の作者は紫式部ではなかった?プラトンの書簡や『紅楼夢』、『静かなドン』をめぐる疑惑、川端康成の文体の変化、パトリシア・ハースト誘拐事件から「かい人21面相」に至るまで、本書は「文章の指紋」を検証する計量分析の手法で様々な謎をあばく。