「カフェはウィーンの悪徳なり…家庭から逃げ出し、女から逃れ、女を求めに行くところなり」。貴族から庶民まで、ウィーン人に親しまれ、旅人をも惹きつけたウィーン・カフェ。そこはまた、異文化がぶつかり合い融け合って、独特のウィーン文化が培われた文化工房でもあった。その魅力と来歴に蘊蓄を傾け、そこを舞台に繰り広げられた有名・無名の人々のエピソードを綴る。