リベラル・デモクラシーも市場経済も、自由と平等に最高の価値をおく社会秩序形成の装置である。こうした装置の機能を考える場合、一般には、国家と個人、市場と消費者といった、マクロとミクロの主体を対比させる図式を想定する。しかし現実には、国家と個人の間に存在する「中間団体」が、社会的秩序の形成・維持、破壊に重要な役割を演ずることがある。本書は時代を1910年代から30年代の「戦間期」に限定し、日本の政治集団、経済団体、メディア、生活運動などの社会集団が、戦間期日本のリベラル・デモクラシーと市場経済に与えたプラス・マイナスの影響を探る。