本書では、不変の一枚岩的な文化、超越的で「客観的な」観察者といった考え方が、もはや時代遅れで有効ではないということを暴露することによって、社会科学は、多様性、ナラティヴ、感情、主体性という避けられない問題をきちんと認識し、喜んで世に知らせるべきだと迫っている。つまり、学問の世界の内外において、人種、民族、年齢、ジェンダー、性的志向の異なる多様な人々を擁護しなければならないという、その根拠をパワフルに提示しているのである。