■スポーツやピアノの練習においても、テストや受験勉強においても、もちろんビジネスの場においても、私たちが成果を出そうと努力するうえで、最大の敵は集中が続かないことだ。
集中力には個人差があることは、多くの人が経験的に理解するところだろう。話しかけてもなかなか気づかないほど目の前の勉強や仕事に集中する人もいれば、注意散漫で落ち着かず、仕事をしていたかと思えばいつの間にかネットサーフィンに移行している人もいる。
■集中力は生まれ持ったもののようにも思えるが、著者によればこれは筋肉のようなもので、使わなければ落ち、うまく使えば鍛えることができる。そして、集中力は「自己への集中」「他者への集中」そして「周りの環境への集中」の3つに分けることができ、スポーツ、芸術、ビジネスとどんな分野であれ、成果を出す人はみなこの3つすべてに熟達しているという。
■本書では、さまざまな事例から「集中力」の謎を多角的に掘り下げ、ふつうの人と「できる人」を分ける「注意」とは一体何なのか、また集中力を育てるにはどうしたらよいのかを考察する。
だれもがいつでもネットにアクセスでき、情報が氾濫する現在、集中力の重要性はますます大きくなっている。私たちの人生を左右し得る集中力の謎と仕組みをやさしく解き明かした本書は、成功をつかむためのヒントとして、多くのビジネスパーソンに役立つ1冊である。
■著者ダニエル・ゴールマンは、「こころのIQ」である「EQ」の提唱者で、『EQ こころの知能指数』(講談社+α文庫、1998年)は世界500万部、日本でも80万部の大ベストセラーとなった。