「御ややが授かりますように」ここのところ毎日、北の方さまが瑠璃のところへやってきて、意味ありげに言う。これから大和の寺へ大勢の供人を従えて懐妊祈願にゆくのでお邸は大騒ぎ。瑠璃はと言えば、このチャンスに帥の宮をおびきだし、帥の宮が瑠璃に懸想しているようなことを匂わせているので、煌姫と入れ代わって帥の宮を懲らしめようというのだ。案の定、彼はやってきたのだが…。