「批判的精神こそ学問の中核であり、目的である」。この精神に支えられ、長きにわたり皇国史観への徹底的批判を続けてきた反骨の歴史家が、開国から目前の政局に至るまで、近代日本の歩みを鋭利な眼差しで凝視する。現代批判にはじまり、田中正造のユニークな行動と思想をさぐり、さらに幕末・維新期の人物像や、明治維新の評価にも論及する。