人はなぜ心を病むんだろう 普通のOLだった太田良枝は、肉親の死による悲しみで、心のコントロールが利かなくなってしまった経験から 心の病に興味を持つようになり、精神科の看護師になることを決意。 しかし身体のケガや病気のように、症状や病状の良し悪しがわかりづらい、精神疾患を抱える患者たちとの日々は、想像を遥かに超える出来事の連発で、答えのないことばかり… ある日、ある事件をきっかけに、患者さんたちの心の内をもっと理解したいと思った彼女は「失踪会議」と題して、“しんどい時、逃げたくなる時、どうすればいいのか"を話し合う機会を作る――――。 ――――私がそうだったように、誰だって平常心でいられない時もある。"おかしい"と"おかしくない"の境界線はいったいどこにあるんだろう。「妄想」ってなんだろう。「狂う」ってなんなんだろう。―――― 精神科のリアルな現場を新人看護師の目線で描いた意欲作。